医学部の偏差値は他学部と比較して非常に高く、偏差値60以上の学力が要求されています。地方の国立大学医学部に合格できる学力があれば、東大に行けると言われているほどの難易度を誇っています。偏差値の動向としては、国公立大学医学部の場合、旧帝大や旧制医科大など歴史の古い大学は難易度が高いです。また、地方よりも政令指定都市がある地域に所在する医学部や首都圏の医学部は人が集まる傾向にあるためそれだけ偏差値も上昇しています。いっぽう、私立大学医学部の場合は学費が安い大学ほど人気が高く、その分偏差値も高くなっています。私立大学医学部は学費が安い医学部が増えたと言ってもまだまだ6年間総額は2000万円ほどかかってくるので、国立大学医学部の350万円程度に比べると非常に割高です。そのため経済的事情で国公立しか目指せない受験生も少なくないと思います。国公立は、センター試験で9割以上を確保し、前期と後期の2回しかチャンスがないため、私立のように併願受験で合格の機会を増やすことはできない分厳しいです。また、後期試験は非常に難易度が上がってしまうため、実質前期試験が勝負となります。特に、センター試験に失敗してしまうと2次試験で合格点までもっていくことが難しくなるので重要となります。センター試験は国語や社会など文系科目も対策しないといけないうえ、9割以上の得点を取らないといけないので、対策も怠れません。また、家庭の経済事情に関係なく目指してくるため、優秀な受験生が国立医学部には集まり、私立よりも難易度が高くなっています。したがって、国公立医学部しか志願できない受験生は、できるだけ合格の可能性が高い大学を選ぶことをおすすめします。前にも述べた通り、歴史が古かったり、都会にある医学部は偏差値が高いということは、逆は合格の可能性が高くなります。つまり、地方にある新設医学部となります。偏差値一覧を見ても分かるように地方の国立大学医学部は難易度が下がる傾向にあります。ただし、地方は、地元の優秀な生徒は地元の国立医学部へ進学することが王道と言われているので、決して簡単ではありません。それでも競争率は下がるのでしっかりと志望校対策を行うことで、都市部にある医学部よりは合格できるチャンスが高くなります。国公立大学医学部の偏差値をまとめているサイトを下記に紹介しますので、参考にしてみると良いでしょう。
医学部の偏差値一覧はコチラ
私立大学医学部は学費の安さに比例して偏差値・難易度が上がる
国公立大学医学部の場合は、歴史や系譜が偏差値にも影響していましたが、私立の場合は学費の安さが難易度に大きく影響しています。国公立大学医学部と違って私立は学費が大学によって異なってくるため差が激しいのが特徴です。最も安い学費は国際福祉大学の1850万円ですが、最も高い川崎医科大学は4550万円と実に2700万円もの差があります。そのため、受験生は学費の安い大学を志望する人が多く集まるため、偏差値も自ずと高くなっているのです。実際、医学部の偏差値ランキングを見ても分かるように上位の医学部は学費総額が2000万円台の大学が占めています。
順位 | 大学 | 偏差値 | 学費 |
1位 | 慶応 | 72.5 | 2199 |
2位 | 東京慈恵会医科 | 69 | 2250 |
3位 | 順天堂 | 68 | 2080 |
4位 | 防衛医科 | 67.25 | 0 |
5位 | 大阪医科 | 66.75 | 3141 |
6位 | 日本医科 | 66.25 | 2200 |
7位 | 自治医科 | 65.75 | 0 |
8位 | 昭和 | 65.25 | 2200 |
8位 | 関西医科 | 65.25 | 2770 |
10位 | 東京医科 | 64.25 | 2940 |
上記によると偏差値トップ10内では3000万円以上の学費は大阪医科大学のみとなっています。ちなみに防衛医科大学校と自治医科大学の場合、卒業後に9年間ほど指定された場所で医師として従事すれば学費が実質0円となります。国公立大学医学部よりも経済的負担が軽くなるため、やはり人気があり高い偏差値が要求されています。防衛医科大学校の場合は公務員としてみなされるため毎月給与まで支給される充実ぶりです。その反面、自治医科大学も同様ですが卒業後の進路が限定的になってしまうことは注意しておきましょう。いっぽう、学費の最も高い川崎医科大学の偏差値は最も低い57.75となっています。他学部に比べると決して低い値ではありませんが、医学部の中では最も難易度が下がるので、経済的に問題なければ穴場の医学部となります。また、学費3000万円台後半の医学部が偏差値ランキングの下位に集中していることからも、やはり私立は学費が難易度に影響していることが分かります。経済的に私立大学医学部が厳しいという人は、地域枠など負担軽減が可能な場合もあるので、最初から諦めるのではなく奨学金制度や特待制度など細かく確認して進学できるかチェックすることが重要です。やはり国公立よりも私立のほうが入試難易度は下がるので、志望校に含めたほうが医学部合格の可能性は高まります。
偏差値だけでは合格できない?第1回:医学部受験の侮れない志望校対策
医学部の偏差値は60から70程度ないと合格が厳しいと言われている超難関試験です。ただし、偏差値がクリアできたからと言って合格できると言えない難しさがあります。というのも医学部入試は大学ごとに出題範囲や出題形式が明確に異なっており、過去問などを使って対策を行っていないと合格に必要な得点が取れないからです。よく東大理三に合格したのに慶應医学部は不合格だったという有名なケースがあるのはこのためです。したがって、模試等で偏差値が良いからと言って志望校対策を怠ると医学部受験が失敗に終わってしまうので注意しましょう。志望校対策としては過去問を解くのがおすすめです。数年分を解くことで出題方法のクセや時間配分、問題の解く順番などあらゆる戦略を立てることが可能です。医学部受験の場合は併願が一般的であるため、できるだけ多くの志望校対策ができるよう、秋頃から徐々に始めるのが得策です。また、医学部予備校が直前期等に実施する医学部大学別対策講座も本命は受講したほうが良いでしょう。過去問と同じように出題形式に慣れるだけでなく、医学部予備校の大学別講座は予想問題による実戦形式の模試が受講できます。本番さながらの雰囲気で受験できるので予行練習には最適です。しかも、予想問題の中から本試験で的中するなんてケースもあるので、ぜひ受講しておきましょう。以上のように志望校対策を徹底することが医学部合格への近道となります。偏差値のよくて志望校判定が良かったらと言って油断しないよう注意しましょう。